かるみあ移行支援 漫画制作インタビュー
かるみあのホームページでも公開し、ご好評をいただいている
かるみあ移行支援のまんが
『自分史上偉大なる一歩~スタートラインを越えるために~』。
今年2019年4月に印刷版を発行してから3か月で、初版の100部が無くなり、重版出来となっています!
漫画の制作をされた、かるみあA型社員であり、作者の たまごや きき さんに、制作秘話を伺いました。
Q:どういった経緯やきっかけで、移行支援の漫画を制作することになったか教えてください。
A:あまりはっきりとは覚えていませんが、たしか最初は、面談時に漫画制作をしてみたいと自分からスタッフさんに話しまして、後日この漫画を作ってほしいと依頼され、制作が始まりました。
おそらく2016年の12月頃(かるみあで就労移行支援事業を開始した頃)に初めの打合せをして漫画制作を開始したと思います。
Q:かるみあのホームページでも、漫画が完成した2017年3月に公開させて頂きました。
A:そうですね。他の業務と並行して制作していたため時間がかかったという印象で、自分としては半年間くらいやっていたような感覚でしたが・・・実際は3か月くらいだったんですね。
Q:気になったので、ペンネーム「たまごや きき」の由来を教えてください。
A:専門学校時代に考えたペンネームです。pixiv(イラストや漫画を中心にしたSNS)に登録するアカウント名を検討していた際に、アニメ『サザエさん』の、ネット上で話題になった『全自動卵割り機』という人気回のことが偶然頭に浮かびまして、また私は卵焼きが好きなので、「たまごや きき」というペンネームになりました。
現在の自分のpixivは別のアカウント名でやっています。
Q:漫画内のストーリーや鏑木君などのキャラクターは、誰のアイデアで、どのように作られたのですか?例えば、参考にした話やモデルなどはあるのでしょうか?
A:主人公のモデルは完全に私です(笑) 主人公の友人役のモデルは、私の友人ですね。
具体的に参考にした話はありませんが、自分の経験を元にして漫画として変換し、自分でアイデアを出し、肉付けしていきました。
例えば、もしも自分が就労移行支援を利用したらどうなるか、
また、冒頭の友人との会話は、モデルにした友人ならこう言いそうだなって想像して作りました。
Q:かるみあのスタッフから、ストーリーについてリクエストがあった部分はありますか?
A:漫画で□内に記載している就労移行支援についての説明は、スタッフさんから「この文章を載せてほしい」ともらったものをそのまま載せています。
Q:漫画を描く人にとっては愚問かもしれないですが、漫画制作はどのように進められたのですか?
A:愚問ではありません(笑) 基本的な流れはありますけれども、描く人によって案外さまざまな作り方をされるらしいので。
私は、まずはパソコンのメモ帳もしくは紙に、アイデアや漫画の設計図(プロット)を文字情報のみで書き出し、ある程度納得いくレベルにもって行きます。台本みたいな形ですかね。吹き出し内の台詞や、カメラアングルがどこから向くか等を書いていきます。
次に、それをコピー用紙でネームにします。ネームとはコマの配置と大きさ、キャラクターの配置と演技と台詞をわかる程度に簡単に描いたやつです。
それをパソコンにスキャンして取り込んでネームの修正をしつつラフを描き、さらに修正を重ねつつ清書に入り、完成にもって行きます。
Q:作者ご自身の思い入れの強いシーン、または制作エピソード(苦労したことや、おもしろかったこと、注意した点)等はありますか?
A:冒頭の友人との食事シーンと、最後のページ(友人とのやり取りで涙しているシーン)が、とても思い入れのあるシーンですね。
冒頭の食事シーンは、フィクションではありますが、自分自身にも若干突き刺さりながら制作していました。自分で自分に対して言うという面もあったかと…。友人との台詞、はじめの案は、スタッフさんから修正が入るくらいきつい言葉でした(笑)
最後のシーンは、すんなりと書けたのですが、自分の過去について分析もしたり、達成できたことへ「おめでとう」という言葉をやはりかけたいという気持ちがありました。
読んだスタッフさんから「感動した」というコメントももらったのですが、「テーマを伝えたい」と「(読み手を)泣かせる」の両方を込めたページでした。
制作全体として、だいぶ自由にやらせていただき、そのためか思いのほかスムーズに進めることができました。
Q:制作をされてみた感想は? また制作を終えてから期間が経っているので、今のご自身から見た作品の感想や、今後の展望、やってみたいこと等を教えてください。
A:思いのほかちゃんとまとめることが出来た上、完成後の反響の良さには、驚きと、やったぜっていう喜びがありました(笑)
今までもプライベートで漫画の制作はしてきましたが、ここまでの形で完成させたのは初めてだったので。
今見ると未熟な点が目立ちますが、それでもあの頃の自分にとっての全力で作ってたんだなって感じました。この熱意は、今の私自身が見習う必要があるなぁと (笑)
今後、A型の漫画の案もスタッフさんと検討していますし、会社でまた作りたいなとおもいます。またプライベートでも漫画を作っていきたいと考えています。
Q:就労移行支援や就労継続支援A型のことなど、漫画になっていると、とっかかりやすくていいですよね。
A:はい。漫画は文化として日本人にしみついていると思うので、とっかかりとして良いんだろうなと思います。
Q:今回、漫画の印刷版もできましたが、どんな方に読んでほしいですか? また、読む方に向けて伝えたいことやメッセージ等はありますか?
A:この漫画は、障がいを持っている人や、就職に不安がある人はもちろんですが、中でも一歩前に踏み出せないでいる人に、特に読んでほしいと思います。
一歩踏み出すことは、難しいと思うんですけど…。しかも、一歩目を踏み出せたからといって、そのままとんとん拍子に行くかどうかもわからないですし、二の足を踏むという言葉もありますし。
それでも、一歩踏み出すと、世界の見え方も変わってきます。なので先のことなんてわからない。
何もやらないと失敗もしないじゃないですか。動かないと暗くなっていきますし、社会の波にもまれてみるのもいいんじゃないかな…と。
不安は払拭できなくても、勇気を出して一歩前へ進んでほしい、がんばってほしい。そうすると新しいものも見えてきたり、良いことがきっと広がっていく、と思います。
――ありがとうございました。